峠「21号」_2012_北海道夏合宿

「梅干しの種は抜いてきたか」

第50代 夏合宿 1日目「梅干しの種は抜いてきたか」
距離:108km UP:1,700m

  1. ダート×2 ・・・フラットダートで丘越え。十勝連峰を正面に走る。道中、白欄並木、水田、滑空場など、北海道旅情を感じることができる。
  2. 「青い池」・・・十勝岳の火山災害か こから美瑛町を守るために作られた、人口湖である。
  3. アップル社のMac Book Proの壁紙に採用されたことも。「今まで我々が作った中で、世界一美しい画面」と絶賛。
  4. 十勝岳連峰・・・北のオスタテシケ山から南の富良野岳まで約13㎞に渡って、直線状に2000m級の山々が連なる。活火山の十勝岳は記録が残る幕末以来、30~40年おきに爆発している。
  5. 十勝岳スカイライン・・・道道966号、展望台からは眼前に十勝岳が雄大にそびえる。眼下には美瑛や富良 野の街並みが一望できる。
  6. 富良野市・・・語源はアイヌ語のフーラヌイ(さくにおう泥土)

「泥沼に星は映る」

2日目「泥沼に星は映る」
距離:94km UP:1,200m

  1. 幾寅駅・・・幾寅はアイヌ語のユク・トラシ・ペツ(鹿の上る川) に由来。映画「鉄道員」ロケで「幌儀駅」として使用され、その際、演出のためより古さを強調した感じに改修されている。
  2. 幾寅峠・・・道道1040号のダート。
  3. 泣く木跡・・・昔、蘇美沢から栗山町への道のそばに、ニレの木が あった。明治23年、室蘭本線敷設工事の際、強制労働者として働かされていたタコといわれる囚人が過酷な労働の末、死亡し、その死体 はすべてこのニレの木の根元に埋められた。そして、工事などのために、この木を切ろうとする者は必ず呪われて、病気になったり、死んだりするのであった。昭和45年、道路拡張のため、ある若者がチェーンソーで切り倒すが、のちにこの若者は は病気になったという。
  4. 占冠村・・・語源はアイヌ語「シモカプ」(静かで平和な上流)

「トンネルの向こうは」

3日目「トンネルの向こうは」
距離:103km UP:1,050m

  1. 日高ウェスタンファーム・・・・全高13mの熊オブジェが出迎える。
  2. 日勝峠・・・天候が良ければ、頂上付近から十勝平野の展望を望むことができるが、夏季は濃霧による視界不良、冬季は路面凍結、吹雪 による視界不良と一年を通して悪条件となり場合が多い。1000m級の標高とはいえ、森林限界に達し、気象条件として志賀高原の渋峠(2,172m)クラスに匹敵する。

「ようこそ愛の国から」

4日目「ようこそ愛の国から」
距離:43km UP:50m

  1. この日は束の間の楽勝日。
  2. 旧幸宿駅・・・旧国鉄広尾線で結ばれていた旧愛国駅とともに、「愛の国から幸福へ」というキャッチフレーズで小さな木造の駅舎跡はそのまま保存され、ディーゼルカーやプラットホームとともに鉄道公園として公開されている。4月下旬から9月下旬までウェディング体験ができる「幸福駅ハッピーセレモニーも人気。平成20年には「愛国駅」とともに「恋人」の聖地に選定。部員は色々なステッカーを購入。
  3. 帯広市・・・帯広はアイヌ語オペレペレケプ(川尻がいくつにもさ けている場所)による。豚丼はおいしい。六花亭のサクサクパイもお手頃な価格の割にとてもおいしい。フリータイムでリフレッシュしたあと、土手?で就寝。

「奥座敷」

5日目「奥座敷」
距離:94㎞ UP:800m

  1. 十勝川
  2. 岩松湖・・・岩松ダムによって形成された人造湖。
  3. 東大雪湖・・・十勝ダムによって形成された人造湖
  4. トムラウシ自然休養林
  5. トムラウシ山・・・大雪山系南部、標高2141mの山。日本百名山に選定されている。「大雪山の奥座敷」と称される。トムラウシはアイヌ語で「花の多いところ」または「水垢が多いところ」を意味する。30~10万年前に活動した火山で、山頂に溶岩ドームがある。また、「富良牛山」は当て字である。2009年に起きた、登山者9名が低体温症で死亡した事故は記憶に新しい。
  6. 十勝ダムの案内板に、音声ガイドがついていた。ここはピストンで戻ったため、そのガイドを10回ぐらい聞いたような…。

ダム「普段、こんな山奥に一人ぼっちで、さみしくてねぇ」

確かこのダムは周囲の岩を切り出して材料にする「・・・ロック方式」みたいな名前の様式が採用されていました。

「風呂回」

6日目「風呂回」
距離:101km UP:1,050m

  1. ヌプン峠・・・ヌスンはアイヌ語で「沼」
  2. ヌプントムラウシ林道
  3. ヌマントムラウシ温泉・・・ヌプントムラウシ川の河原にある噴泉塔から湯と蒸気が交互に噴出している。新得町によって設けられた更衣室と混浴露天風呂がある。沢水も引き込まれており、適温となるよう加水して入浴する。整備された浴槽以外でも、付近の河原を掘れば温泉がわきだす箇所が多く、川水と調整して自分独自の野湯を楽しむことができる。
  4. 佐幌岳・・・佐幌はアイヌ語「サオロオペツ」(下方の河の意)

「ゴーレム」

7日目「ゴーレム」
距離:79㎞ UP:400m

  1. 糠平湖
  2. 国設糠平
  3. この日は白樺峠でフリーランだったのですが、濃霧で視界が悪く、クラブランへと変更になりました。この峠までは荷物を外して上り、ふもとまでピストンでしたが、とても気持ちの良い下りでした。頂上で「ちょっと待った」などと騒いでいると、バードウォッチングをしている方に怒られてしまいました。公共の場では、節度のある行動が必要でした。
  4. この日のもう一つの目玉は、廃線トロッコであります。なんとペダルをこいで進むのです。これは乗るしかない!
  5. キャンプ場に早くついてしまい、1時間ほどのフリータイムでリフレッシュできました。

「山岳の大きさを知れ」

8日目「山岳の大きさを知れ」
距離:92km UP:1,500m

  1. タウシュベツ展望台・・・タウシュベツ橋梁をながめることのできる展望台。タウシュベツ橋梁は、旧国鉄士幌諭が昭和14年十勝三段駅まで開通した際、音皿側の支流であるタウシュベツ川にかけられたもの。湖面に橋が映るとメガネのようにみえることから「眼鏡橋」の別名を持つ。
  2. 三国峠・・・樹海と松見大橋が織りなす眺めが美しい。
  3. 大雪湖 … 大雪山国立公園にある湖は、然別湖を除き人口湖である。
  4. 銀泉台・・・道内一般車道最高地点。ダート道で、今年の合宿ではけが人が出てしまいました。車で来ている方に助けていただいたりと、大変な道でした。
  5. 層雲峡・・・名前はアイヌ語「ソウウンベツ」(滝の多い川)によるもの。峡谷美が最も素晴らしい。 流星・銀河の滝(日本の滝百選)といった大小さまざまな滝も見どころの一つである。

「ピールアウト 」

9日目 「ピールアウト 」
距離:156㎞ UP:600m

  1. 於鬼頭峠
  2. 岩尾内湖
  3. 士別市・・・士別は「シュベツ」(主なる川)による。
  4. 名寄市・・・名寄は「ナイオロ」(川の処)による。
  5. 美深町···美深は「ビウカ」(石原)による。
  6. この日のランは、距離やUPを見ても分かる通り、スーパー平地ランでありました。一年生はCL任されていた日でもあり、永遠に続くかのような道路に、さぞかし疲れたことでしょう。ちなみに、ピールアウトとは <車などが>急発進することらしいです。

「カワラのマルイシ」

10日目 「カワラのマルイシ」
距離:120㎞ UP:1,400m

  1. 美深歌登大規模林道・・・北海道屈指のロングダート、道北スーパー林道とも呼ばれる。
  2. 加須美峠・・・町道加須美峠函館線に分岐する。
  3. 町道加須美峠函館線・・・長く伸びた真っすぐな砂利道は三菱パジェロのCMにも使われたことがある。
  4. 函岳・・・山頂には雨量レーダーがある。その裏からは360度の大パノラマが広がり、日本海、オホーツク海、大雪山が見渡せる。日本海側は絶壁になっている。
  5. ピンネシリオート・・・ピンネシリ山は男山の意である。
  6. ここまでのダート道の疲れをすべて忘れさせてくれる絶景でした。

「考える葦」

11日目「考える葦」
距離:129㎞ UP:600m

  1. 知駒岳・・・フリーランを行った峠であり、本合宿最後の峠。
  2. 天塩川・天塩川は「テシオペゥ」(梁多い川)が語源。
  3. サロベツ原野・・・湿原の規模は200平方㎞にも及ぶ広大なものである。
    平成17年にはラムサール条約に登録された。ここの景色はとてもきれいで、予定にはなかったのですが、後続を待って、記念撮影をしました。この場所が合宿のハイライトであったといっても過言ではないでしょう。

この日は知駒岳でフリーランも行いましたし、最終日前日ということで、豪華な晩餐を作ったり、大変内容の濃い一日となりました。体調不良で、途中離脱していた部員ともこの日に再会できました。

「停泊地」

12日目 「停泊地」
距離:91㎞ UP:650m

  1. 北辰ダム・・・国内最北のダム。
  2. 宗谷岬・・・一般人が行くことのできる範囲における日本最北端の地であり、「日本最北端の地」と記された石碑が建つ。
  3. 宗谷滝
  4. 稚内市・・・稚内はアイヌ語 「ヤムワッカナイ」(冷たい飲み水の沢)に由来する。日本最北の市。市内にある稚内公園内には、かつて樺太で亡くなった日本人のための慰霊碑、氷雪の門がある。
  5. 北防波堤ドーム・・・大型の防波堤。防波堤の外観としては異色となるドーム状の形態をとっていることから、命名された。長さ424 mに渡って続く古代ギリシャを彷彿とさせる、エンタシス上の柱列群は斬新な印象を与えている。
  6. この日止まったのは広大なキャンプ場だったのですが、恒例の飲み会ではなく、バーベキューを行いました!肉の激しい争奪戦はあったものの、とてもおいしくて、合宿の達成感もより大きいものになりました。

「編集後記」

「編集後記」
まずこの「峠」制作にご協力いただいた、OB、現役部員の皆様にお礼を申し上げたいと思います。皆様のご協力がなければ、この記念冊子を作ることはできませんでした。

今年はWCC創部50周年であったので、何か記念に残るものをつくろう、と思い、伝統ある「峠」の作成に着手しました。この記念冊子をどのような内容にしようかと考えたときに、WCCにかかわっている、かかわっていた人たちは、WCCそして自転車旅についてどのように思っているのかを知りたいと思い、各代の方々にご連絡を差し上げました。

たくさんのご協力をいただき、この「峠」第21号を作ることができました。色々と自分の能力の至らない部分がありますが、楽しんでいただければ幸いです。

最後になりますが、綿貫さん、特別原稿を執筆していただきまして、大変うれしく思っております。またそれについて入学さんには本当にお世話になりました。そして、幹事会にご出席されているOBの方々にも色々とご協力していただき、大変感謝しております。

現役の皆様、「峠」ついて思いの詰まった文章を執筆してくださり、ありがとうございました。

「峠・第21号」
WCC第50代出版局人間科学部2年 木村
発行:2012年11月

Editor’s Note

2012年の出来事。平成24年。

1月。東京都心でNTT docomoの携帯電話に通信障害。

2月。 東京証券取引所、株式の売買・情報配信システム障害発生。
パナソニック、VHS方式の家庭用ビデオテープレコーダ生産を終了。
KDDI(auブランド)の通信設備(電気設備)の障害。
高さ634mの東京スカイツリー竣工。

3月。格安航空会社、ピーチ・アビエーションが初就航。
NTTドコモ PDCによる携帯電話サービスmova終了。
地上アナログ放送が終了し、全国で完全デジタル化が完了。

4月。「渋谷ヒカリエ」開業。
5月。日本の全原子力発電所50基が稼働停止。
日本を含む北太平洋で金環日食を観測。

6月。バブル崩壊後の最安値を更新。

7月。ガールズケイリン(女子競輪)が48年ぶりに平塚競輪場で復活。
cdmaOneのサービス終了により日本における第2(2.5)世代携帯電話は全停波。
ソフトバンクモバイル、900MHz帯による携帯電話サービスプラチナバンドを開始。

9月。尖閣諸島の魚釣島及び南小島、北小島を国有化。

10月。「日本郵便株式会社」設立。
ノーベル生理学・医学賞を京都大学山中伸弥教授が受賞。
「Microsoft Windows 8」発売開始。

12月。中央自動車道笹子トンネル上り線(東京方面)で天井板崩落事故。
自由民主党が単独多数を確保する大勝で、再度与党に。

第54回日本レコード大賞 2012年 真夏のSounds good ! 井上ヨシマサ

WCC夏合宿は、「北海道 : 旭川から – 稚内まで」でした。

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こんにちは。WCC OB IT局藤原です。

この年、WCC創立50周年を記念し、峠21号が発刊されました。また50周年記念行事として、WCC創部50周年記念パーティが、大隈ガーデンにて開催されました。参加者170名以上。

当時の文章をWEB化するにあたり、できるだけ当時の「雰囲気」を尊重するよう心掛けたつもりです。
文章と挿絵はPDF版より抜粋しました。レイアウト変更の都合で、半角英数字、漢数字表記等を変換していますが、全ての誤字脱字の責任は、編集担当の当方にあります。もし誤りありましたら、ご指摘をお願いします。

2025年新春、藤原

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